よさこい演舞曲制作のご依頼から完成までの一例を紹介致します。
曲、衣装、振り付け…演舞の完成までには、多くの時間と費用がかかります。
そして何より、チームの強い熱意がかかっています。
「自分達にもオリジナルが欲しいけど…」
「どうやって作っているの?」
「イメージが伝わるかな」、、などなど
踏み出す時の不安はつきないと思います。
そこで、ほんの一例ですが、から完成まで、制作の工程をここに紹介させて頂きます。
不安や疑問が少しでも軽減されれば幸いです。
人間の目と耳から入る情報は強烈なインパクトを与えます。
私達は、目を閉じて聴いても演舞の様子・躍動が浮かぶような曲作りを目指しています。
演舞曲構成表
演舞曲構成表の記入例
演舞は、起伏に富んだ1つの物語であると思います。
曲はその物語を表現しながら場面に応じた変化をし、演舞を引き立てる役割を担っています。
聴いているだけで、ドキドキするような音で踊って欲しい。 チームひとりひとりの感動が、観ている人たちにも伝わるはず。
そんな思いから、よさこいASORA 演舞曲制作部では【演舞曲構成表】を導入しています。
演舞のテーマ・展開に沿って、曲調やご要望を記入して頂く事ができるのです。
分析と確認
チーム担当者の方と弊社間で以下のような確認をさせて頂きます。
①曲調について
今回のケースでは【メジャー調】(明るい) or 【マイナー調】(暗い)、どちらをイメージされているか確認を行います。
YOSAKOI演舞曲の場合、演舞のテーマが「光」「未来」「希望」といった明るい印象であっても、
イメージされている曲調は、実は【マイナー調】であるケースが多々あるからです。
ごく一例ではありますが、響きにはこんな違いがあります。
●「ソーラン節」(Aマイナー)
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●「ソーラン節」(Cメジャー)
再生
②テンポについて
メロディはどちらも同じものです。今回はごく一例として、メジャー・マイナーとも同じ音色、テンポ・アレンジにしています。
例えばメジャーには派手なブラスや明るい掛け声、マイナーには三味線の乱れ弾きや重い太鼓・雷の音など入れると、聴いた印象(違い)はより明確なものとなります。
ご依頼の際、過去に踊られた演舞曲・既成曲でイメージに近いものがあればお申し出下さい。
琴系の音色でざっくりと全体像(スケッチ)を作ってみます。
※スケッチの段階で使用する音色は、立ち上がりがハッキリしていて、かつ減衰が極端ではない音色が良いです。
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ポイントとして、踊る曲ですから「キメ」も大事ですね。
この段階でイメージをしておくと後々スムーズなので、キック・スネア・クラッシュあたりを使って目印を付けておきます。
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楽器を割り振っていきます。
ここは尺八、ここからはストリングスとブラス、といった塩梅でざっくり進めます。
太鼓や打楽器、ベース等をいれて、こんなサウンドが出来上がりました。
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この箇所は【テーマ】のようなメロディアスな内容ではなく、アタック・リズムで引っ張る方向が良いですね。
スケッチは下記のような感じです。
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生演奏の三味線を切り刻んだものを並べてフレーズを作りました。
2本鳴ってるイメージにしたかったので、1本は左、もう一本は右にパンを振っています。
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太鼓や打楽器、その他楽器類を追加して出来上がったサウンドです。
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琴系の音色によるスケッチです。
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「よさこい節」は子供主体のパート、コミカルで可愛いイメージという事で、主旋律は笛にしました。軽いアレンジを目指します。
「ソーラン節」はグッと大人っぽく、ピアノの演奏にします。
YOSAKOI演舞曲に於いてピアノを採用すること、個人的には是非お勧めしたいです!
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ちなみに、「よさこい節」と「ソーラン節」を比較すると、「ソーラン節」の方がゆったりとしたテンポに聴こえると思います。
でも、制作データ(パソコン)上でテンポの変更はしていないんですよ。
冒頭~「ソーラン節」の終わりまでテンポは一定(145)です。
カウントの取り方を半分にすることで、変化を出す事が出来るのです。
曲の中でどこか1ヶ所、こういった「落とし」を採用をするのは効果的ですね。
第4ブロック~エンディングの制作
> 演舞曲構成表を参照
一番の盛り上がりを迎える部分です。スケッチは下記のようになっています。
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前半に登場したメロディを転調させ、テンポを2上げました。太鼓の手数を増やしたり、キックを4つ打ちにする等して変化も出します。
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「テンポを2上げる」わずかな差かもしれませんが、これは良い結果を生む事が多いです!
仕上げ~完成!!
スケッチの段階では琴系の音色とクリックしかなかった制作データ。
太鼓・三味線をはじめとした和楽器、ドラムやベースにストリングスに、あれこれ採用してこんなデータになりました。
縦が各楽器、横が時間の流れです。
カラフルで綺麗ですが、データの大きさに比例してトラブルのリスクは増します。
(このデータは演舞曲としては小ぶりなものです。)
使用している音源毎にデータ・設定を保存したり、採用が決定的なパートはオーディオ化して負荷を減らすなど、念には念を入れて進める事が大事ですね。
少し話しが逸れましたが、ミックスを進めます。
各楽器の定位や鳴り方を調整してベストなバランスを目指す行程です。ここには結構時間を費やす事が多いですね。
そして最終的な音圧調整を経て演舞曲が完成しました。
尚、掛け声は【掛け声無料券】を適用した内容です。
スケッチは下記のような感じでした。
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★完成です!!
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振り付け~演舞披露
スタッフ一同、完成した演舞を拝見するのが何よりも励みとなります。
そんな時にYouTubeは便利ですが、やはり生の迫力には到底及びません。
シーズン中は出来るだけ足を運んでいますので、演舞情報などお寄せ頂けたら嬉しいです。
尚、よさこいASORA 演舞曲制作部では振り付けのご依頼も承っています。
今回の演舞曲に対する振り付け、ぜひご覧下さい。
YOSAKOI演舞 振り付け映像①
YOSAKOI演舞 振り付け映像②
★ひと月に2チームまでの限定プランです!ご相談はお早めに。
> 詳細・振り付け映像はこちら
演舞曲の作り方 完